肉離れの医学的対処法!
運動中に起こる障害の一つとして「肉離れ」という言葉を耳にすることがあると思います。
今回はこの肉離れについて解説をしていきます!
肉離れとは
「肉離れ」は医学的には「筋挫傷」と呼ばれます。「挫傷」とは皮膚の表面は傷つかず、その下の組織が損傷を受けた状態をいいます。
筋挫傷とは筋が限界以上に引っ張られたり、強力に力を加えたときに筋肉の一部またはすべてが断裂した状態をいいます。
関節的な原因としては筋肉の柔軟性の不足、筋力のバランス不良などがあげられます。テニス中に多く起こるのはハムストリングスや腓腹筋など脚の裏側の筋肉の損傷が特に多いです。
損傷の三段階
損傷の程度は大きく三段階に分けられます。
Ⅰ度損傷:顕微鏡レベルでの断裂である。動いたときに痛みはあるが、筋力の低下はない。
Ⅱ度損傷:筋肉内の線維が断裂する。動くことは困難であり、断裂した側に体重をのせることは難しく、筋力も低下する。
Ⅲ度損傷:筋線維が完全に断裂している。非常に強い痛みがあり、体重をかけることは不可能。断裂部のくぼみを触ることができる。
Ⅰ~Ⅱ度は損傷の程度により数日から数週間で治癒する。Ⅲ度では手術療法がおこなわれることもある。
治療法
発症したらその場でPRICE処置を行ってください。PRICE処置とはProtection:保護、Rest:安静、Ice:冷やす、Compression:圧迫、Elevation:患部を上にあげる。これらの略語になります。別記事にて解説していますので参照ください。
痛みが強い場合や翌日になっても痛みがある場合は医療機関に受診することをお勧めします。
基本的には自然治癒で治ります。しかし、その期間に無理な運動や痛みの出る動きを継続して行っていると痛みが慢性化してきます。また、発症直後は痛みの出る場所のマッサージやストレッチは逆効果となる危険性があるため注意をしてください。まずはしっかりと安静をとり、徐々に痛みのない範囲での運動を行っていくことが大切です。