思い込みの力!プラセボ効果は立派な治療法だ!

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プラセボ効果という言葉をご存知でしょうか?

ただの思い込みと考える人も多いかと思いますが、実は多くの効果が認められた治療法なのです!

今回はプラセボ効果について紹介していきます。

プラセボ効果とは

プラセボ効果とはプラシーボ効果の別称で、有効成分が含まれていない薬剤(偽薬、プラセボともいわれる)によって、症状の改善や副作用の出現が見られること。偽薬効果ともいわれる。

プラセボ効果が起こる理由は明らかになっていないが、暗示や自然治癒力などが背景にあると考えられている。

引用元:Answers

https://answers.ten-navi.com/dictionary/cat04/3071/

新薬の開発などの中で使われる言葉ですが、実際には薬以外の場面でもあらゆる医療行為には必ずプラセボ効果が関与していると言われています。

プラセボ効果は悪者ではない

プラセボ効果は偽薬などの言われ方から、いわくつきのような感覚を受けますが、実はしっかりと効果が実証された医療なのです。

プラセボ効果の報告は多数あります。有名なところでは、ハーバード大学のBeecher博士は、15件の種々の疾患に対するプラセボ対照比較試験を解析し、対照群1082例中35%の患者にプラセボのみで効果が認められたことを報告しています。

他にも研究は多数あり、特に疼痛緩和についてはプラセボの効果は高いと言われています。

プラセボ効果はどうして効くのか?

プラセボ効果の仕組みとして挙げられるのがドパミン分泌量の増加です。

ドパミンは脳の快楽物質とも言われていますが、プラセボ剤を投与した際にパーキンソン病患者のドパミン量が増加したことが報告されています。

また、薬の鎮痛効果に対する期待が高いほど、脳の快楽中枢である側坐核の反応性が高かったことがわかっています。

 

研究の中で言われるのが、薬に対しての期待値が高いほどプラセボ効果が高くなるという事です。つまり「思い込みの力」は私たちの想像よりもずっと優れたものなのです。

驚きの研究!プラセボと分かっていても効果が出る!

最近のプラセボ研究の中で驚くような報告があります。

ハーバード大学のKaptchuk博士らの報告では、過敏性腸症候群の患者に対して、「プラセボは,不活性な砂糖の錠剤で効力を示さず、臨床試験では心身に対して自然治癒力を与えたりする」と伝えたうえで、プラセボの治療効果を検証した結果、プラセボでも治療効果が認められたというものです。

 

また、ダナ・ファーバーがん研究所の報告ではプラセボが、がん関連の倦怠感を著しく減少させたという報告もあります。

 

プラセボと知っていても効果が出るというのは驚きがあります。それだけ私たちの身体は言葉や薬の錠剤に対して安心感を持ってしまうのですね。

プラセボの注意

プラセボ効果については、患者の「薬が効いて良くなった!」という感覚と病気本来の改善が必ずしも伴っていないという報告もあります。

病気本来の改善はやはり効果の証明された薬が必要とも言えます。

 

治療者は患者の主観以外にもしっかりと状態の評価をする必要があると言えます。

まとめ

このようにプラセボは様々な研究がされた治療法です。さらにプラセボには投与する薬剤や行動に副作用がないことも大きな利点です。

理学療法士は薬剤を使うことはできませんが、思い込みの力を言葉などで引き出すことはできます。私たちの言葉が患者の治療結果にも関わることを常に意識できるといいですね!

引用・参考元

IME医療教育研究所 プラセボ効果とは?

https://www.ime.or.jp/daitai/daitai12.html

海外がん医療情報リファレンス 薬効ないとわかっていても、プラセボ服用でがんに伴う倦怠感が軽減

https://www.cancerit.jp/61093.html#