人間関係の悩みを解決する「課題の分離」とは【実践アドラー心理学】

対人関係に悩んでいる方は多いと思います。

「上司に怒られた」

「好きな人からLINEの返事がなかったらどうしよう」

「子供が勉強をしない」

などなど。あげればキリが無いはずです。

 

今回は悩み解決法についてアドラー心理学の「課題の分離」を元に3ステップで書いていきます。

最重要は「他者の課題に干渉しない。他者からの課題の干渉を無視する」です。

 

 

ステップ1 課題を分ける

まず、目の前にある課題を「自分の課題」と「他者の課題」に分けていきます。

誰の課題かを見極めるポイントは、

「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?」を考えることです。

 

僕の場合は理学療法士という仕事をしているので、その現場の悩みを例にします。

 

例)腰痛の患者様にいくら自主トレ指導をしても聞いてくれない。

 

まず、この状況を「自分の課題」と「他者の課題」に分けると、

自分の課題:患者に自主トレ指導をする。

他者の課題:自主トレを実践する。

となります。

そして、現在は自主トレ指導をするという自分の課題はクリアしているが、自主トレを実践するという他者の課題はクリアできていない、だから悩みとなっているのです。

 

このように自分の目の前にある課題について、自分の課題と他者の課題を分けて考えてみましょう。

 

課題を分けたら、次のステップとして課題の特性について考えます。

ステップ2 自分の課題・他者の課題の特性を知る

課題を分けたらそれぞれの課題の特徴を知りましょう。アドラーがあげている課題の特徴は以下の通りです。

自分の課題:自分の行動や感情でコントロールできる。他者の行動や感情ではコントロールされない。

他者の課題:他者の行動や感情でコントロールできる。自分の行動や感情ではコントロールされない。

これだけです!

 

これを先ほどの例に当てはめると、

患者様に自主トレ指導をする→自分の課題:コントロールできる

患者様が自主トレを実施する→他者の課題:コントロールできない

となります。

つまり、どれほど僕が努力をしたとしても患者がどういう行動をするかをコントロールすることは出来ないのです。

 

ステップ3 悩みの分類わけをする

最後に悩みの分類を分けてみます。

・他者が自分の課題に介入しているケース

・自分が他者の課題に介入しているケース

アドラー心理学では対人関係のトラブルは上記二つにわけられると言われています。

 

そして、これらの解決方法はとてもシンプルです。

課題の分離の鉄則「他者の課題に介入しない」「自分の課題に介入させない」を守ることで解決することが出来ます。

 

先ほどの例は②に当てはまります。

つまり、「自主トレをするかどうか」という他者の課題に対して、自分が悩んでしまっている状態です。

ここで必要なのは「他者の課題に介入しない」という鉄則を守ることです。

「自主トレをするかどうか」は患者の課題であって、自分の課題ではないのです。さらに言うと、他者の課題であるため自分ではどうすることもできません。

この事実を知ることが大切です。

 

補足をすると、アドラー心理学のカウンセリングでは相談者が変わるか変わらないかはカウンセラーの課題ではないと考えます。

患者が変わるのは患者自身の意思であり、私たちの意思ではどうすることもできないのです。

 

課題の分離の注意点

ここまで呼んだ方は、無責任ではないかと考える人もいるかと思います。

例で言うと、患者が治らないでいるのに何もしないのか!と感じると思います。

 

ここで伝えたいのは自分が出来ることを見極めるという事です。

例で言うと、患者が自主トレをするかどうかは患者の課題ですが、自主トレのやり方や情報を提示することはできます。

私たちにできるのはそこまでなのです。

大切なのは聞いてくれれば「サポートやアドバイスはしますよ」という態度でいることです。

周りが何と言っても自分を変えることが出来るのは、自分しかいないのです。

 

まとめ

他者の課題は私たちがあれこれと考えたところで解決することは出来ません。それどころか「何でわかってくれないんだ」と他者の課題を抱え込んでしまったり、他者がその課題を乗り越えて成長することを邪魔してしまうかもしれません。

 

課題の分離をすることは対人関係の悩みを解決する第一歩とされています。課題の分離を通して、自分に出来ること、出来ないことをしっかりと見極めて行動することが大切です!