過去の失敗も劣等感も変えられる!【セラピストが考える心理学】
今回も「嫌われる勇気」から患者様への治療法を考えていきます。
今回考えるのは目的論的過去のとらえ方です。
嫌われる勇気の中にはこんな言葉があります。
過去にどんな出来事があったとしても、そこにどんな意味づけをほどこすかによって、現在のあり方は決まってくるのです。
引用:嫌われる勇気 著:岸見一郎
今回はこの言葉から考えていきます。
結論は過去の解釈は変えられるです!
意味づけで過去が変わる?
私たちは過去は変わらないものと捉えがちです。もちろん過去の事実が変わることはないです。
しかし、そこからどのような解釈をするかは人それぞれ違います。
経験からの解釈についてアドラーはこう述べています。
いかなる経験も、それ自体では、成功の原因でも失敗の原因でもない。
われわれは自分の経験によるショックーいわゆるトラウマーに苦しむのではなく、経験の中から目的にかなうものを見つけ出す。
自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定するのである。
引用:嫌われる勇気 著:岸見一郎
アドラーは「過去の経験それ自体」ではなく「過去の経験に現在の私が与える意味」によって自らを決定すると語っています。
発表での失敗
例えば、発表で大失敗をするという過去があったとします。
その経験から
「発表で失敗したから、自分は人前で話せなくなった。」
と感じる人がいれば、
「あの失敗があったからカンペを作るようして次の発表を成功させられた。」
という結果になる人もいます。
発表の失敗を「人前で話せなくなった原因」という意味をつけるのか「次の発表を成功させられた要因」という意味をつけるのかは現在のあなた次第なのです。
ある患者様の骨折経験
僕が担当した患者様の話をします。
その方は転んで鎖骨骨折をした30代の患者様で手術から仕事復帰まで8週間の休みをもらっていました。
その方は最初の頃は「仕事戻っても大変なんだよね。」といった発言が多かったのですが、徐々に発言の内容が変わり、職場復帰前には「早く会社に出たい。働かないと人間だめになるね。」という発言に変わっていきました。
骨折をしたという事実は変わりませんが、この方にとっては働く意味を考える期間となったのではと考えられます。
このように患者様がもっている病気という経験も解釈によってはその人にとって意味のある期間とすることが出来るはずです。
そして解釈の方法をアシストすることが私たちセラピストには出来る可能性があると僕は思います。
まとめ
私たちが普段担当する患者様は「腰痛があるから動けない」「麻痺があるから楽しく生活できない」というような原因論の中にいることがとても多いです。
日々長い時間を接するセラピストが少しでも解釈を変えられるような声掛けや行動が出来るといいですね!