実は大人に多い!アキレス腱損傷・断裂について

前回までとはがらりと変わって今回は大人に多いアキレス腱損傷についてです!

 

アキレス腱損傷・断裂は運動中の子供に多いと思う方もいると思いますが、実はアキレス腱を痛めるのは30~50歳の大人に多いです。よく運動会のお父さんが急にダッシュをしたときに起きると言われます。

僕の知り合いでも急に卓球をしたら着地時にブチっとなって次に会うときには松葉杖を持っていたという方もいました。(笑)

 

ただし、一度アキレス腱断裂をしてしまうとスポーツ復帰には短くても6か月以上かかると言われています。

そのため、今回はアキレス腱損傷・断裂についての知識や予防法を知ることはとても大切です!最後までぜひ読んで見てください!

1.そもそも腱ってなに?

アキレス腱損傷・断裂について話す前にまず知ってもらいたいのが、「腱」とは何かです。

「腱」とは筋と骨を結ぶ強靭な組織とされます。そのため、アキレス腱が有名ですが、ほとんどどの筋にも腱は存在しています。

また、似た組織としてイメージしやすい「靭帯」は骨と骨を結んでいる組織です。

 

そして、皆さん意外と知られていないことですが、腱や靭帯が損傷してから元の組織に回復するまでの時間というのは300~500日とされており、骨の期間よりもかなり長いとされています。

 

そのため、腱の疾患を甘く見てしまうと慢性的な痛みに繋がってしまうことが非常に多いです。

 

2.解剖学的にアキレス腱を説明!

アキレス腱は下腿三頭筋という腓腹筋とヒラメ筋を合わせた筋肉の腱となります。腓腹筋は大腿骨内側上顆・外側上顆という場所から始まり、ヒラメ筋は腓骨と脛骨後面から始まります。ここで知ってほしいのは腓腹筋は大腿骨という膝の上の骨から始まり、ヒラメ筋は腓骨と脛骨という膝の下の骨から始まるという点です。これによりストレッチの仕方が変わります。

また、腓腹筋とヒラメ筋は機能が大きく異なります。

腓腹筋は速筋という線維が多く、走りこみなどの一瞬の動きを出す時に使われます。

対して、ヒラメ筋は遅筋という線維が多く、体の姿勢を保つときなど持続的な活動で使われます。この大きく働きの違う筋が合流してアキレス腱となるため、アキレス腱にはストレスが加わりやすく、障害を起こしやすいと言われています。

 

3.アキレス腱炎・断裂の原因

アキレス腱断裂はアキレス腱に急激な引き延ばされる力がかかった時に発症します。テニスで言うとドロップショットを追った時やサーブ&ボレーを行うときに蹴りだす時などに発症しやすいとされています。

一方アキレス腱炎はアキレス腱周囲の使い過ぎによってアキレス腱や周囲の組織が炎症を起こしている状態です。最初は弱い痛みでもストレスがかかり続けることによって慢性的に痛みが続いてしまうこともあります。

 

これらに共通するのは加齢や体重、シューズの問題、コートサーフェスの変更などが危険因子となります。

 

4.アキレス腱炎・断裂の治療法

初期治療としてはアイシングと運動制限がメインとなります。断裂の場合は8~12週のギプス固定や手術による縫合を行う場合もあります。

その後痛みが落ち着いてきたら下腿三頭筋のストレッチと筋力強化を行っていきます。カーフレイズエクササイズはアキレス腱炎の予防と治療に効果があると示されています。

断裂の場合は4~9か月程度の専門機関でのリハビリを受けたうえでの復帰となります。

 

5.アキレス腱炎・断裂の予防法

最後にアキレス腱炎・断裂の予防法を書きます。上の治療法にも出ていることなので参考にしてください。

腓腹筋・ヒラメ筋ストレッチ

いわゆるアキレス腱のストレッチです。下の動画を参考にしてみてください!


アキレス腱炎のストレッチ

 

・カーフレイズ

階段などにつま先をつけて片足立ちをします。

しっかりと踵を下げた状態からゆっくりと上に上げて、ゆっくりと下ろしていきます。

慣れてきたら軽く膝を曲げてヒラメ筋を優位に使って行うなど工夫をしてみてください。下の動画を参考にしてみてください!


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