目的論と原因論【セラピストが考える心理学】
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今回はセラピスト向けに目的論と原因論の考え方について紹介します。
結論は患者様への説明は目的論ですべきです。
目的論・原因論とは
目的論はアドラー心理学で用いられる用語で、人間の行動や感情は未来の目的によって決まるという考え方です。
これと対になるのが、原因論です。
原因論とは、人間の行動や感情は過去の原因によって決まるという考え方です。
引きこもりのとらえ方
例えば、引きこもりのAさんという人がいるとします。
Aさんは職場でいじめにあってから、人と会うのが怖くなってしまい引きこもりとなりました。
これを原因論と目的論でそれぞれ考えると
原因論:職場でいじめにあうという原因があったから引きこもってしまった。
目的論:人と会わないという目的のために引きこもりになっている。
目的論をさらに詳しくすると、家にいれば親に心配されて注目を集められるが、外に出ると誰にも注目されなくなる。だから引きこもっていたほうが楽なので家にいるという目的があると考えられます。
もちろん人によって内容は異なります。
腰痛のとらえ方
理学療法士がリハビリで関わる例として腰痛患者様のとらえ方を考えます。
Bさんは一か月前にぎっくり腰になってから家から出られなくなってしまいました。
原因論的とらえ方:ぎっくり腰になった原因を調べてその治療をするべき。
目的論的とらえ方:家から出ないことでその人には何かしらのメリットがある。
目的論をさらに詳しくすると、家から出ないことで仕事を休めるや家族に心配されるなどです。
このような目的論のとらえ方は実際の臨床ではタブーとされていることが多いです。僕もこの内容を上司に言ったら間違いなく怒られます。(笑)
ただし、入院や通院が長期にわたっている人はこのような感情が存在している可能性が高いです。
原因論と目的論のどちらが必要?
A.どちらも重要であり、双方向的に考える必要があります。
セラピストとしての立場で考えると、原因論の考え方がなければ腰痛から見られる重大な兆候を見落とす可能性があります。
また目的論の考え方がなければ腰痛という痛みに焦点が行き過ぎてしまい、病院に通うことが目的の生活に患者様をさせてしまいます。
ただし、患者様への説明は原因論ではなく目的論で終わらせるべきです。
先の例だと、「腰痛の原因を治療しましょう」ではなく、「治療をして家から出れるようになりましょう」「家から出ればこんなことが出来ますよ」という説明に変えられるといいですね!
まとめ
特に外来の患者様を担当すると原因論での考え方がメインになってしまいます。長く通院されてい方や症状が変わらない方には目的論の視点で患者様をとらえるのも大切です!
また、私たちは治療をして患者様の生活を変えることが仕事なので目的論で説明をするほうが良いですね!
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