取り扱い注意!? 腰痛ベルトの効果と注意点
腰が痛いから腰痛ベルトを買おうかなと考える人はすごく多いです。
その一方で腰痛ベルトをいつまでつけて良いのか分からず、外せなくなってしまう方が多いのも事実です。
そこで今回は腰痛を持つ人や治療者が知っておくべき腰痛ベルトの効果と注意点を書いていきます。
結論としては腰痛ベルトを使うのは短期間にすべきです。
腰痛ベルトの効果とは?
まず腰痛ベルト(腰椎サポート)にはどんな効果があるか見ていきます。
腰痛ベルトに対しての効果として一般的に言われているのは以下の通りです。
腰痛症に対する体幹装具の目的と作用機序は、①腰椎運動の抑制、②腹部の保護、③腰椎配列の維持、④フィードバックとしての動作制限効果のほか、心理的効果が指摘されている。
理学療法ハンドブック 改定第4版第3巻 P109-111
こう見ると腰痛がある人が腰痛ベルトを使用することは効果的と思われますし、何より腰痛ベルトの簡便性が良いんですよね。
実際に腰痛ベルトをつけたら動けるようになったという人も多いので、僕も腰痛ベルトの使用は否定しません。
ただし、使うときに注意すべきことがあるのも事実で覚えておくべきだと思います。
腰痛ベルトのエビデンス
日本整形外科学会が作成した腰痛ガイドラインによると腰痛ベルト(腰椎サポート)はこのように書いてあります。
- 急性、亜急性、慢性腰痛を区別しない研究では、腰椎サポートによる痛みの改善は認めなかった。
- 慢性腰痛の研究では痛み、機能において効果を認めなかった。
- 無治療と比較して、短期間の機能改善を示した。
- 腰椎サポートによる皮膚病変、胃腸障害、血圧及び心拍数、筋肉組織などの有害作用との関連を示唆した。
そして、全体を通して行うことを弱く推奨するとしています。
内容からも分かるように、もし腰痛ベルトを使うのであれば腰痛の強い時期に短期間で使うようにした方が良いです。
長期間の使用は臓器や筋肉の多い体幹部を締め付けることになり、むしろ身体に害になる場合があります。
このことを念頭において腰痛ベルトの使用は検討した方が良いと思います。
補足:治療者がするべき患者指導とは
治療する立場にある人は患者に腰痛ベルト依存をさせないように気をつける必要があります。特に重要なのが声かけです。
例えば、「痛い時につけるのは良いですが、期間を決めて外すようにしましょう」
というように使い始めから腰痛ベルトを外す時期を意識させる声掛けをすることが大切です。
まとめ:腰痛ベルトに依存しない
腰痛ベルトを使用するときは、使い始める時に終わりを考えることがすごく大切です。
そのためには腰痛ベルトをつけている人は治ってきたら外す意識を持つこと、治療者は依存をさせないような声かけをすることが大切と言えます。
「腰痛ベルトがないと生活できない!」
という状況にならないように、外すことを見据えて使用するようにしましょう!
参考文献
理学療法ハンドブック第3巻 改訂第4版 P109-111
疾患別・理学療法基本プログラム(理学療法ハンドブック 改訂第4版)
- 作者: 細田多穂,柳澤健
- 出版社/メーカー: 協同医書出版社
- 発売日: 2010/03/11
- メディア: 単行本
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腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版 P50
- 作者: 日本整形外科学会,日本整形外科学会診療ガイドライン委員会,腰痛診療ガイドライン策定委員会,日本腰痛学会
- 出版社/メーカー: 南江堂
- 発売日: 2019/05/13
- メディア: 単行本
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思い込みの力!プラセボ効果は立派な治療法だ!
プラセボ効果という言葉をご存知でしょうか?
ただの思い込みと考える人も多いかと思いますが、実は多くの効果が認められた治療法なのです!
今回はプラセボ効果について紹介していきます。
プラセボ効果とは
プラセボ効果とはプラシーボ効果の別称で、有効成分が含まれていない薬剤(偽薬、プラセボともいわれる)によって、症状の改善や副作用の出現が見られること。偽薬効果ともいわれる。
プラセボ効果が起こる理由は明らかになっていないが、暗示や自然治癒力などが背景にあると考えられている。
引用元:Answers
新薬の開発などの中で使われる言葉ですが、実際には薬以外の場面でもあらゆる医療行為には必ずプラセボ効果が関与していると言われています。
プラセボ効果は悪者ではない
プラセボ効果は偽薬などの言われ方から、いわくつきのような感覚を受けますが、実はしっかりと効果が実証された医療なのです。
プラセボ効果の報告は多数あります。有名なところでは、ハーバード大学のBeecher博士は、15件の種々の疾患に対するプラセボ対照比較試験を解析し、対照群1082例中35%の患者にプラセボのみで効果が認められたことを報告しています。
他にも研究は多数あり、特に疼痛緩和についてはプラセボの効果は高いと言われています。
プラセボ効果はどうして効くのか?
プラセボ効果の仕組みとして挙げられるのがドパミン分泌量の増加です。
ドパミンは脳の快楽物質とも言われていますが、プラセボ剤を投与した際にパーキンソン病患者のドパミン量が増加したことが報告されています。
また、薬の鎮痛効果に対する期待が高いほど、脳の快楽中枢である側坐核の反応性が高かったことがわかっています。
研究の中で言われるのが、薬に対しての期待値が高いほどプラセボ効果が高くなるという事です。つまり「思い込みの力」は私たちの想像よりもずっと優れたものなのです。
驚きの研究!プラセボと分かっていても効果が出る!
最近のプラセボ研究の中で驚くような報告があります。
ハーバード大学のKaptchuk博士らの報告では、過敏性腸症候群の患者に対して、「プラセボは,不活性な砂糖の錠剤で効力を示さず、臨床試験では心身に対して自然治癒力を与えたりする」と伝えたうえで、プラセボの治療効果を検証した結果、プラセボでも治療効果が認められたというものです。
また、ダナ・ファーバーがん研究所の報告ではプラセボが、がん関連の倦怠感を著しく減少させたという報告もあります。
プラセボと知っていても効果が出るというのは驚きがあります。それだけ私たちの身体は言葉や薬の錠剤に対して安心感を持ってしまうのですね。
プラセボの注意
プラセボ効果については、患者の「薬が効いて良くなった!」という感覚と病気本来の改善が必ずしも伴っていないという報告もあります。
病気本来の改善はやはり効果の証明された薬が必要とも言えます。
治療者は患者の主観以外にもしっかりと状態の評価をする必要があると言えます。
まとめ
このようにプラセボは様々な研究がされた治療法です。さらにプラセボには投与する薬剤や行動に副作用がないことも大きな利点です。
理学療法士は薬剤を使うことはできませんが、思い込みの力を言葉などで引き出すことはできます。私たちの言葉が患者の治療結果にも関わることを常に意識できるといいですね!
引用・参考元
IME医療教育研究所 プラセボ効果とは?
https://www.ime.or.jp/daitai/daitai12.html
海外がん医療情報リファレンス 薬効ないとわかっていても、プラセボ服用でがんに伴う倦怠感が軽減
人間関係の悩みを解決する「課題の分離」とは【実践アドラー心理学】
対人関係に悩んでいる方は多いと思います。
「上司に怒られた」
「好きな人からLINEの返事がなかったらどうしよう」
「子供が勉強をしない」
などなど。あげればキリが無いはずです。
今回は悩み解決法についてアドラー心理学の「課題の分離」を元に3ステップで書いていきます。
最重要は「他者の課題に干渉しない。他者からの課題の干渉を無視する」です。
ステップ1 課題を分ける
まず、目の前にある課題を「自分の課題」と「他者の課題」に分けていきます。
誰の課題かを見極めるポイントは、
「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?」を考えることです。
僕の場合は理学療法士という仕事をしているので、その現場の悩みを例にします。
例)腰痛の患者様にいくら自主トレ指導をしても聞いてくれない。
まず、この状況を「自分の課題」と「他者の課題」に分けると、
自分の課題:患者に自主トレ指導をする。
他者の課題:自主トレを実践する。
となります。
そして、現在は自主トレ指導をするという自分の課題はクリアしているが、自主トレを実践するという他者の課題はクリアできていない、だから悩みとなっているのです。
このように自分の目の前にある課題について、自分の課題と他者の課題を分けて考えてみましょう。
課題を分けたら、次のステップとして課題の特性について考えます。
ステップ2 自分の課題・他者の課題の特性を知る
課題を分けたらそれぞれの課題の特徴を知りましょう。アドラーがあげている課題の特徴は以下の通りです。
自分の課題:自分の行動や感情でコントロールできる。他者の行動や感情ではコントロールされない。
他者の課題:他者の行動や感情でコントロールできる。自分の行動や感情ではコントロールされない。
これだけです!
これを先ほどの例に当てはめると、
患者様に自主トレ指導をする→自分の課題:コントロールできる
患者様が自主トレを実施する→他者の課題:コントロールできない
となります。
つまり、どれほど僕が努力をしたとしても患者がどういう行動をするかをコントロールすることは出来ないのです。
ステップ3 悩みの分類わけをする
最後に悩みの分類を分けてみます。
・他者が自分の課題に介入しているケース
・自分が他者の課題に介入しているケース
アドラー心理学では対人関係のトラブルは上記二つにわけられると言われています。
そして、これらの解決方法はとてもシンプルです。
課題の分離の鉄則「他者の課題に介入しない」「自分の課題に介入させない」を守ることで解決することが出来ます。
先ほどの例は②に当てはまります。
つまり、「自主トレをするかどうか」という他者の課題に対して、自分が悩んでしまっている状態です。
ここで必要なのは「他者の課題に介入しない」という鉄則を守ることです。
「自主トレをするかどうか」は患者の課題であって、自分の課題ではないのです。さらに言うと、他者の課題であるため自分ではどうすることもできません。
この事実を知ることが大切です。
補足をすると、アドラー心理学のカウンセリングでは相談者が変わるか変わらないかはカウンセラーの課題ではないと考えます。
患者が変わるのは患者自身の意思であり、私たちの意思ではどうすることもできないのです。
課題の分離の注意点
ここまで呼んだ方は、無責任ではないかと考える人もいるかと思います。
例で言うと、患者が治らないでいるのに何もしないのか!と感じると思います。
ここで伝えたいのは自分が出来ることを見極めるという事です。
例で言うと、患者が自主トレをするかどうかは患者の課題ですが、自主トレのやり方や情報を提示することはできます。
私たちにできるのはそこまでなのです。
大切なのは聞いてくれれば「サポートやアドバイスはしますよ」という態度でいることです。
周りが何と言っても自分を変えることが出来るのは、自分しかいないのです。
まとめ
他者の課題は私たちがあれこれと考えたところで解決することは出来ません。それどころか「何でわかってくれないんだ」と他者の課題を抱え込んでしまったり、他者がその課題を乗り越えて成長することを邪魔してしまうかもしれません。
課題の分離をすることは対人関係の悩みを解決する第一歩とされています。課題の分離を通して、自分に出来ること、出来ないことをしっかりと見極めて行動することが大切です!
過去の失敗も劣等感も変えられる!【セラピストが考える心理学】
今回も「嫌われる勇気」から患者様への治療法を考えていきます。
今回考えるのは目的論的過去のとらえ方です。
嫌われる勇気の中にはこんな言葉があります。
過去にどんな出来事があったとしても、そこにどんな意味づけをほどこすかによって、現在のあり方は決まってくるのです。
引用:嫌われる勇気 著:岸見一郎
今回はこの言葉から考えていきます。
結論は過去の解釈は変えられるです!
意味づけで過去が変わる?
私たちは過去は変わらないものと捉えがちです。もちろん過去の事実が変わることはないです。
しかし、そこからどのような解釈をするかは人それぞれ違います。
経験からの解釈についてアドラーはこう述べています。
いかなる経験も、それ自体では、成功の原因でも失敗の原因でもない。
われわれは自分の経験によるショックーいわゆるトラウマーに苦しむのではなく、経験の中から目的にかなうものを見つけ出す。
自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定するのである。
引用:嫌われる勇気 著:岸見一郎
アドラーは「過去の経験それ自体」ではなく「過去の経験に現在の私が与える意味」によって自らを決定すると語っています。
発表での失敗
例えば、発表で大失敗をするという過去があったとします。
その経験から
「発表で失敗したから、自分は人前で話せなくなった。」
と感じる人がいれば、
「あの失敗があったからカンペを作るようして次の発表を成功させられた。」
という結果になる人もいます。
発表の失敗を「人前で話せなくなった原因」という意味をつけるのか「次の発表を成功させられた要因」という意味をつけるのかは現在のあなた次第なのです。
ある患者様の骨折経験
僕が担当した患者様の話をします。
その方は転んで鎖骨骨折をした30代の患者様で手術から仕事復帰まで8週間の休みをもらっていました。
その方は最初の頃は「仕事戻っても大変なんだよね。」といった発言が多かったのですが、徐々に発言の内容が変わり、職場復帰前には「早く会社に出たい。働かないと人間だめになるね。」という発言に変わっていきました。
骨折をしたという事実は変わりませんが、この方にとっては働く意味を考える期間となったのではと考えられます。
このように患者様がもっている病気という経験も解釈によってはその人にとって意味のある期間とすることが出来るはずです。
そして解釈の方法をアシストすることが私たちセラピストには出来る可能性があると僕は思います。
まとめ
私たちが普段担当する患者様は「腰痛があるから動けない」「麻痺があるから楽しく生活できない」というような原因論の中にいることがとても多いです。
日々長い時間を接するセラピストが少しでも解釈を変えられるような声掛けや行動が出来るといいですね!
目的論と原因論【セラピストが考える心理学】
FineGraphicsさんによる写真ACからの写真
今回はセラピスト向けに目的論と原因論の考え方について紹介します。
結論は患者様への説明は目的論ですべきです。
目的論・原因論とは
目的論はアドラー心理学で用いられる用語で、人間の行動や感情は未来の目的によって決まるという考え方です。
これと対になるのが、原因論です。
原因論とは、人間の行動や感情は過去の原因によって決まるという考え方です。
引きこもりのとらえ方
例えば、引きこもりのAさんという人がいるとします。
Aさんは職場でいじめにあってから、人と会うのが怖くなってしまい引きこもりとなりました。
これを原因論と目的論でそれぞれ考えると
原因論:職場でいじめにあうという原因があったから引きこもってしまった。
目的論:人と会わないという目的のために引きこもりになっている。
目的論をさらに詳しくすると、家にいれば親に心配されて注目を集められるが、外に出ると誰にも注目されなくなる。だから引きこもっていたほうが楽なので家にいるという目的があると考えられます。
もちろん人によって内容は異なります。
腰痛のとらえ方
理学療法士がリハビリで関わる例として腰痛患者様のとらえ方を考えます。
Bさんは一か月前にぎっくり腰になってから家から出られなくなってしまいました。
原因論的とらえ方:ぎっくり腰になった原因を調べてその治療をするべき。
目的論的とらえ方:家から出ないことでその人には何かしらのメリットがある。
目的論をさらに詳しくすると、家から出ないことで仕事を休めるや家族に心配されるなどです。
このような目的論のとらえ方は実際の臨床ではタブーとされていることが多いです。僕もこの内容を上司に言ったら間違いなく怒られます。(笑)
ただし、入院や通院が長期にわたっている人はこのような感情が存在している可能性が高いです。
原因論と目的論のどちらが必要?
A.どちらも重要であり、双方向的に考える必要があります。
セラピストとしての立場で考えると、原因論の考え方がなければ腰痛から見られる重大な兆候を見落とす可能性があります。
また目的論の考え方がなければ腰痛という痛みに焦点が行き過ぎてしまい、病院に通うことが目的の生活に患者様をさせてしまいます。
ただし、患者様への説明は原因論ではなく目的論で終わらせるべきです。
先の例だと、「腰痛の原因を治療しましょう」ではなく、「治療をして家から出れるようになりましょう」「家から出ればこんなことが出来ますよ」という説明に変えられるといいですね!
まとめ
特に外来の患者様を担当すると原因論での考え方がメインになってしまいます。長く通院されてい方や症状が変わらない方には目的論の視点で患者様をとらえるのも大切です!
また、私たちは治療をして患者様の生活を変えることが仕事なので目的論で説明をするほうが良いですね!
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やる気スイッチの入れ方【大切なのは目標・行動・習慣化】
「なぜかやる気が出ない」
「いつも後回しにしてしまう」
僕もそうですが、誰しも少なからずこのように感じることはあると思います。
今回はこんな悩みを持った方に向けてやる気スイッチの入れ方について書いていきます。
結論は「目標・行動・習慣化」です
やる気はどんな時に感じるのか
人がやる気を感じるのは大脳の側坐核という場所にドパミンが投射されたときと言われています。
側坐核は快楽中枢とされており、この場所がドパミンによって活性化されると人の脳は快楽を感じて、その快楽を感じる行動を強化しようとします。これがいわゆるやる気がある状態となるのです。
ドパミンは人が報酬を意識したときに分泌されます。そして、この物質はやる気だけでなく、思考力や決断力もアップさせる効果があります。
やる気を出すための3つの条件
では脳神経を意識したやる気の出し方とはどういうものがあるのか。
ここで大切なのが「目標・行動・習慣化」です。
1.目標
ドパミンは何かを達成した時に分泌されます。そのため、達成できる目標を立てることが大切です。
目標の立て方としては、大きな目標があった上で短い期間で達成できる小さな目標があると良いです。
例えば、僕の場合はブログで月1万PVを大きな目標としてます。そこに到達するために月10記事を作る。つまり3日で1記事を短い期間での小さな目標としています。
ここまで具体的にすると行動に移しやすくなります。
小さな目標のポイントとしては時間や回数など数値で表せるとベストです。
目標が遠すぎて達成するまでに時間がかかるものだと、その間にやる気が無くなってしまいます。
そのため、目標は大きな目標とは別に達成できる小さな目標を設定することが大切です。
2.行動
人はやる気が出てから行動するものだと思う方もいるかも知れませんが、実際は行動するとやる気が出ることもあります。
実はドパミンの発生する側坐核は行動をしているときに活性化するのです。
「やるまでに時間がかかるけど、やり始めたら楽しいんだよなー」と感じたことはありませんか?
心と身体は僕らの想像している以上に密接に関わっています。やる気なんてほっといてまずは行動してみましょう!笑
3.習慣化
そうは言ってもやる気が出ない時に行動するのは大変です。そこで大切なのが習慣化です。
行動を習慣化することは物事を継続するのを楽にしてくれます。
習慣化に必要な日数は66日や21日と言われますが、行動の種類や量にもよるので一概には言えません。
個人的には1週間継続すると徐々に行動するのが楽になるイメージがあります。
習慣化で大切なのが、ハードルを上げすぎないこと、時間を決めること、他の行動にヒモ付けすることです。
例えば、「朝起きて歯磨きをしたら30分間ブログの作業をする」というような形から始めるといいと思います。
まとめ
やる気を出すには「目標・行動・習慣化」が大切です。
こう書いていくと結局やる気があるかないかではなく、行動するかしないかであることがわかります。考える前にまずやってみる。やってから考えるという癖をつけられると良いですね!
そしてもし迷ったら筋トレをしてください。笑
参考文献
THE21ONLINE|脳科学から見えてきた!やる気を高める4つの方法
使用画像
弱気な自分を変える!【筋トレがメンタルを鍛える理由】
「自分のことが好きになれない」
「失敗続きの自分が嫌いでしょうがない」
「明日のことが不安で眠れない」
今回はこんな方に向けて記事を書いていきます。
結論は「筋トレでメンタルを鍛えろ!」です。
筋トレをやっている人は明るい
身近に筋トレをしている人や筋トレ好きな芸能人を思い浮かべてみてください。
オードリーの春日さん、武井壮さん、なかやまきんに君などなど。
身近な人でも芸能人でも筋トレをしている人は明るい気がしませんか?
完全な偏見ですが、筋トレをしている人はみんな明るいです。
僕もそうだったのですが、自分のことが好きになれないという人はこういう人たちに憧れを持ちやすいです。
「あいつは何であんなに明るいんだろう」とか「こっちの気も知らないで!」みたいな。
でも筋トレをする人が明るいのはちゃんとした理由があるのです。
筋トレでメンタルを鍛えるとは?
筋トレはメンタルヘルスに悪影響を与える可能性が高い「焦燥感」「不安感」「慢性疼痛」「認知機能」「睡眠の質の低下」「自尊心の低下」などについてポジティブに働くと言われています。
これには筋トレによって分泌されるテストステロンやセロトニン、ドーパミンなどが関与すると言われています。
テストステロン
テストステロンは男性ホルモンの構成要素の一つで、骨や筋肉の強度の維持、動脈硬化やメタボの予防、やる気や闘争心の向上などに関与します。
ちなみにテストステロンは女性の体内にもあります。
セロトニン
セロトニンは別名「しあわせホルモン」とも呼ばれ、ドーパミンとノルアドレナリンの調整をして心を落ち着かせる働きがあります。また、痛みの調整や脳の覚醒状態の調整を行います。
ドーパミン
ドーパミンは脳に快楽や喜びを感じさせる物質です。やる気のもとになるホルモンとしても知られています。
ノルアドレナリン
ノルアドレナリンは交感神経の活動を優位にすることで、心拍数や血圧をあげて身体が活動できる状態にします。いわゆる戦闘モードになるにはこのホルモンの分泌が大切です。
筋トレにはこれらのホルモンのバランスを整える効果があると言われています。
筋トレは焦燥感をなくし、自尊心を高めることが出来る。
これらのホルモンのバランスをよくすることは焦燥感(イライラ)や自尊心を向上させることが出来ると言われています!
超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由 著;Testosterone
- 2010年に米国のO'Connorが発表した総説論文(※それまでに発表された研究をまとめたり、要約したりしたもの)によると、多くの研究で筋トレをすることによって、寝不足や不健康から誘発される焦燥感が改善される可能性がある、とされています。
- スポーツ科学や心理学の分野における113本の論文で「筋トレは自尊心を保つ、もしくは高めること」が報告されているのです。
焦燥感や不安感については、単純な話で筋トレしたら疲れて眠くなります。その結果、熟睡することが出来て、朝スッキリと起きられるのでイライラする気持ちがなくなるという事です。
自尊心については必死に筋トレをして、理想の体型を手に入れたら自分の身体を好きになりますよね。
単純なことですが、これらはすでに論文でも報告されているのです。
また、ハードな筋トレは無理という方はウォーキングやジョギングでも焦燥感を取り除けることがわかっています。
「筋トレはちょっとキツイな。」という方はジョギングなどから始めるのも良いですね!
論より証拠!とりあえず腕立て伏せをやってみよう!(笑)
これでも納得できない方はとりあえずダマされたと思って腕立て伏せを限界までやってみましょう!
腕立て伏せをやるときは大胸筋と上腕三頭筋を意識してやってみましょう!胸と二の腕の筋肉です。これらの筋肉がしっかりと動いているイメージを持つことが大切です!
終わった後の疲労感と爽快感が答えになるはずです!
超 筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超・科学的な理由
- 作者: Testosterone,久保孝史,福島モンタ(漫画)
- 出版社/メーカー: 文響社
- 発売日: 2018/04/27
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ウォーキングのさらなる効果を知りたい方は↓の記事も見てください!
腰痛にウォーキングが効く医学的理由【腰痛対策タイプ3】
今回は腰痛対策タイプ3として慢性痛を抑える仕組みについて書いていきます。
慢性的な痛みのキーワードは中枢感作と有酸素運動です。
Q.痛みを強くする仕組み「中枢感作」とは?
A.痛みに対して脳が過敏になっている状態です。
組織が損傷し痛みが出るとその情報は脳に伝えられます。
その部分に「感作物質」という痛みを感じやすくする物質が集ります。(末梢感作)
「なんで痛みを強くしてるんだ!」と思うかもしれませんが、この状態は本来痛みの反応を強くして、痛みの出ている組織にそれ以上刺激を与えないようにするための大切な反応です。
しかし、この反応が続くと痛みを伝える神経にも反応が起こります。
痛みが続いた時にそれを伝える神経は徐々に過敏になっていきます。この神経が過敏になっている状態を中枢感作と言います。
中枢感作になると普段は無害な刺激であっても脳は痛みとして感じてしまうほど、疼痛に対して過敏になってしまいます。
(正確には脊髄後角の感受性が高まることによって、普段は無害なはずの振動や接触を伝達するAβ繊維のもたらすシグナルも痛みとして知覚されてしまう状態です。)
そして、中枢感作の恐ろしいのは組織の損傷が治っても神経が過敏なままになり、痛みが続いてしまうことがあるのです。
中枢感作が続くと、痛みは慢性的になり「何をやっても治らない」、「何年もずっと痛みがある」という状態になってしまいます。
そして、中枢感作の痛みは不安やストレスなど心理的な要因でも強くなることがあります。「忙しいと腰がいたむ」という方は少なからずこの影響を受けている可能性があります。
では中枢感作から根け出すにはどうしたらいいのか。ここで大切なのがウォーキングなどの有酸素運動なのです。
Q.慢性疼痛にはウォーキング?
A.有酸素運動は中枢感作を正常に戻す効果があります。
有酸素運動には様々な効果があることがわかっています。血圧やコレステロールを低下させ心疾患のリスクを減らすことや認知機能の向上を示す研究もあります。
そして、痛みに関しては中枢感作などの疼痛管理システムの正常化やストレス軽減に効果があることが知られています。
痛くて動かないでいると脳はそのことばかり考えてしまいます。中枢感作から抜け出すのに大切なのは普段は痛むけど、動くことが出来るという感覚なのです!
また、誰でも運動後の爽快感や達成感を味わったことはあると思います。この感覚を得ることも脳にはすごく大切なのです!
Q.有酸素運動はどれくらいやればいいの?
A.最低でも12分の早歩きをやりましょう!軽く汗をかく運動を週2回以上、1回に30分以上出来ればベストです!
運動とストレスの関係についての研究をまとめると⬇︎の内容になります。
著:鈴木祐.最高の体調 ACTIVE HEALTH
- 1回のセッションで45〜60分ぐらいの運動をするとストレスが改善し、認知機能も向上しやすくなる
- 「週に2回の運動」と「週に4回の運動」を比べた場合、両者に大きな効果の差はない
- 運動のレベルは「軽く息があがるくらい」から「ヘトヘトになるぐらい」までの範囲で行わないと意味がない
- もっとも、ストレス対策だけに絞ればそこまで時間を割く必要はありません。
- 最低でも12分の早歩きで、あなたの脳のパフォーマンスは確実にアップします。
ここでのストレスとは体内の炎症レベルのことを言っています。
疼痛が無くても、有酸素運動は日々の活動をより良くしてくれるので是非やってみてください!
まとめ
慢性的な痛みはこれらのことを知ることがとても大切です。
「最近疲れて腰が重いな」という人はダマされたと思って少しの期間運動をしてみて下さい。
運動後の爽快感はあなたの脳の異常を少しずつ治してくれます。
参考文献
最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~ (ACTIVE HEALTH 001)
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- 作者: メヒトヒルト・デルケン,守安健児,松尾慎,アンチェ・ヒューター‐ベッカー,長谷川圭,吉水淳子
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腰痛は休憩時間のストレッチで減らせ!【腰痛対策タイプ1】
「仕事中に腰が痛くなる。」
「長く立ち仕事をしていると腰が重くなる。」
今回はこんな方に向けて記事を書いていきます。
結論としては腰痛は休憩時間のストレッチで減らせ!です。
Q.仕事中に腰が痛くなる原因とは?
A.同一姿勢や同一行動が原因であることがほとんどです。
腰痛の原因となりやすい動作としてあげられるのは、重量物の取り扱い、同じ姿勢や動きの継続、急激な不用意な動作などがあげられます。
このうち現代の仕事の中で特に多いのが同じ姿勢や動きの継続です。
現代の仕事の46%はデスクワークと言われているように、日本の会社員のほとんどが座りっぱなしの仕事か立ちっぱなしの仕事をしています。
そして、特に座っている姿勢での作業は腰への負担を高めます。
グラフを見てもらうと、座っている姿勢で椎間板への負担が増えていることがわかります。
僕が普段外来で見ている方も、同じ姿勢や動きをしていて腰痛が出ている人はすごく多いです。
病院に来なければいけない状態になる前に腰が重いと感じたら、対処できるようになることが大切です!
仕事の合間に出来るストレッチ
腰痛対策の第一歩として行ってほしいのがストレッチです。
ストレッチは以前紹介した腰痛体操のタイプ1 アライメントの最適化にあたります。
詳しくは↓記事をみてみてください!
ここでのキーワードは「腰は痛いほうの逆方向にストレッチ」と「股関節もセットでストレッチ」です。
腰の痛みは曲げて痛むか、反らして痛むかで大きく分けられます。
単純にその反対の方向に動かしていくのです!
これに股関節のストレッチを組み合わせるだけでも効果が期待できます!
腰を前に倒して痛い人・長く座っていて腰が重くなる人のためのストレッチ
腰を伸ばすストレッチ(腰椎伸展ストレッチ)
①真っ直ぐ立って、お尻に手を当てます。
②手で骨盤とお尻を前に押し出すように身体を反らしていきます。
③これを3秒キープしてゆっくりと元に戻します。
脚の裏を伸ばすストレッチ(ハムストリングスのストレッチ)
①椅子の端に座り、片足を前に出します。
②骨盤に手をあて、骨盤を起こしていきます。
③足の裏が伸びてきたらそこで10~15秒キープします。
※腰を前に倒しても足の裏は伸びません。骨盤を起こすことを意識しましょう!
お尻のストレッチ(殿筋のストレッチ)
①椅子に座って足を組みます。
②ゆっくりと骨盤を起こしていきます、
③お尻が伸びてきたらそこで10~15秒キープします。
腰を後ろに反らして痛む人・長い立っていて腰が重くなる人のためのストレッチ
腰を前に倒すストレッチ(腰椎屈曲ストレッチ)
①椅子に座って、軽く足を開きます。
②ゆっくり前に倒していきます。
③背中が軽く伸びるところでとめて10~15秒キープします。
股関節の前のストレッチ(腸腰筋のストレッチ)
①椅子に片足を乗せます。
②背筋を軽く伸ばしたまま前足に体重をかけていきます。
③後ろ足の付け根が伸びてきたらそこで10~15秒キープします。
※腰を反らし過ぎて痛みが出ないように注意をしてください。
まとめ
上記に限らず、腰痛対策は仕事の合間などにこまめにやりましょう。
休憩時間にストレッチをしたり、膝の屈伸や軽く歩いたりすることで腰のストレスが解放される時間を作っていきましょう!
参考文献
腰痛に対する運動療法のニューコンセプト* ─ ACE(エース)をねらえ!─
著:松平 浩 他
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/43S3/0/43S3_109/_pdf
体系的な腰痛体操「ACEコンセプト」を知ろう!
大人が腰痛対策をすべき理由
A.腰痛になるとお金と時間が奪われます。
厚生労働省の平成28年の国民生活基礎調査によると、腰痛の有訴率は20.7%で全体の1位になっています。また、通院率は9.8%で男女ともに上位5傷病に入っています。
医療費と生産性でみた場合の疾病コストでは「肩こり・腰痛」がトップで、こうした慢性疼痛による損失は1週間平均で4.6時間に及ぶという試算もあります。
スポーツや習い事など、大人になってから何かを挑戦しようと考えたときにお金と時間はとても大切で、これを腰痛で奪われるのはすごくもったいないです。
そこで今回は体系的な腰痛体操「ACEコンセプト」の概要を書いていきます。
結論としては腰痛対策は3タイプに分けて考えようです。
腰痛対策は体系的に考えるべき
インターネットを探すと腰痛対策としてストレッチ、腰痛体操、筋トレなど様々なものが紹介されています。
これらはどれも行うタイミングが正しければ効果のあるものです。
ではどんなタイミングで行うべきなのか
これに対して、体系的に紹介している論文があります。
腰痛に対する運動療法のニューコンセプト* ─ ACE(エース)をねらえ!─
著:松平 浩 他
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/43S3/0/43S3_109/_pdf
今回はこの論文を元に書いていきます。
ちなみにACEとはAlignment、Core muscle、Exercise-induced hypoalgesiaの頭文字をとったものです。
腰痛対策の3つのタイプ
タイプ① アライメントの適正化(Alignment)
「アライメント」とは関節や骨の並びのことを言います。
ここでは自然な姿勢を作るために必要なストレッチなどの柔軟性を改善させるトレーニングを行なっていきます。
タイプ② コア(深部筋)の強化(Core muscle)
良い姿勢を保つには体幹の筋力強化が必要です。
ここでは体幹の安定化を担う深部筋のトレーニングを行なっていきます。
タイプ③ 内因性物質の活性化(Exercise-induced hypoalgesia)
長い期間腰痛に悩まされている方は、脳が疼痛を感じやすい状態となっている場合があります。(疼痛過敏)これらを改善し、正常な状態にするためのエクササイズをここでは行なっていきます。
具体的にはウォーキングやサイクリング、エアロビクスなどの全身運動が挙げられます。
トレーニングの使い分け
これらの使い分けについて論文上ではこう述べられています。
プライマリケアで多くを占める動作や姿勢に関連するいわゆる腰痛症(メカニカルペイン)に対しては,タイプ①エクササイズを優先する。
痛覚過敏があるなど内因性鎮痛機構が正常に機能していない症例ではタイプ③エクササイズを優先させ,下行性疼痛抑制系を賦活する薬物治療も併用しつつ痛み閾値を上昇させてから,タイプ①あるいはタイプ②エクササイズを処方する。
タイプ②エクササイズは,タイプ①エクササイズが習慣化された後の再発予防や姿勢保持対策として重要であり,また,すべり症や後・側弯症を含む脊椎不安定がある症例では早期から導入する。
腰痛に対する運動療法のニューコンセプト* ─ ACE(エース)をねらえ!─
著:松平 浩 他
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/43S3/0/43S3_109/_pdf
プライマリケアはここでは「身近な医療的問題」と考えてもらって良いと思います。
内容は難しいですが、痛みの強い時にはタイプ①、痛みが少し落ち着いてタイプ①が習慣化されてきたらタイプ②、長い間痛みが続いている人はタイプ③を行うと意識してもらえれば大丈夫です。
そしてこれらは最終的には全てを習慣として行えることが望ましいです。
仕事の休憩中にはタイプ①のストレッチ、家に帰った後タイプ②の体幹トレーニング、休みの日にはタイプ③のランニングというように使い分けられればベストです。
腰痛対策のエビデンス
僕がこの論文を進めるのには2つ理由ががあります。1つ目は前述の通りセルフケアの流れが体系的であるということ。
もう1つはエビデンスレベルが高いという点にあります。
理学療法士協会が出している背部痛のガイドラインによるとストレッチングとコアトレーニングは推奨グレードB、エアロビックエクササイズ・フィットネス(有酸素運動)は推奨グレードAです。
推奨グレードAは行うように進められる強い科学的根拠がある。グレードBは行うように進められる科学的根拠があるとされます。
また、これらのトレーニングはエビデンスレベル2で1つ以上のランダム化比較試験による研究とされています。
こういった点からもこれらの対策を行なっていくことが有効であるといえるでしょう。
まとめ
今回は腰痛対策の体系的な考え方について書いていきました。
次回はタイプ①アライメントの最適化の具体的方法について書いていきます!