取り扱い注意!? 腰痛ベルトの効果と注意点
腰が痛いから腰痛ベルトを買おうかなと考える人はすごく多いです。
その一方で腰痛ベルトをいつまでつけて良いのか分からず、外せなくなってしまう方が多いのも事実です。
そこで今回は腰痛を持つ人や治療者が知っておくべき腰痛ベルトの効果と注意点を書いていきます。
結論としては腰痛ベルトを使うのは短期間にすべきです。
腰痛ベルトの効果とは?
まず腰痛ベルト(腰椎サポート)にはどんな効果があるか見ていきます。
腰痛ベルトに対しての効果として一般的に言われているのは以下の通りです。
腰痛症に対する体幹装具の目的と作用機序は、①腰椎運動の抑制、②腹部の保護、③腰椎配列の維持、④フィードバックとしての動作制限効果のほか、心理的効果が指摘されている。
理学療法ハンドブック 改定第4版第3巻 P109-111
こう見ると腰痛がある人が腰痛ベルトを使用することは効果的と思われますし、何より腰痛ベルトの簡便性が良いんですよね。
実際に腰痛ベルトをつけたら動けるようになったという人も多いので、僕も腰痛ベルトの使用は否定しません。
ただし、使うときに注意すべきことがあるのも事実で覚えておくべきだと思います。
腰痛ベルトのエビデンス
日本整形外科学会が作成した腰痛ガイドラインによると腰痛ベルト(腰椎サポート)はこのように書いてあります。
- 急性、亜急性、慢性腰痛を区別しない研究では、腰椎サポートによる痛みの改善は認めなかった。
- 慢性腰痛の研究では痛み、機能において効果を認めなかった。
- 無治療と比較して、短期間の機能改善を示した。
- 腰椎サポートによる皮膚病変、胃腸障害、血圧及び心拍数、筋肉組織などの有害作用との関連を示唆した。
そして、全体を通して行うことを弱く推奨するとしています。
内容からも分かるように、もし腰痛ベルトを使うのであれば腰痛の強い時期に短期間で使うようにした方が良いです。
長期間の使用は臓器や筋肉の多い体幹部を締め付けることになり、むしろ身体に害になる場合があります。
このことを念頭において腰痛ベルトの使用は検討した方が良いと思います。
補足:治療者がするべき患者指導とは
治療する立場にある人は患者に腰痛ベルト依存をさせないように気をつける必要があります。特に重要なのが声かけです。
例えば、「痛い時につけるのは良いですが、期間を決めて外すようにしましょう」
というように使い始めから腰痛ベルトを外す時期を意識させる声掛けをすることが大切です。
まとめ:腰痛ベルトに依存しない
腰痛ベルトを使用するときは、使い始める時に終わりを考えることがすごく大切です。
そのためには腰痛ベルトをつけている人は治ってきたら外す意識を持つこと、治療者は依存をさせないような声かけをすることが大切と言えます。
「腰痛ベルトがないと生活できない!」
という状況にならないように、外すことを見据えて使用するようにしましょう!
参考文献
理学療法ハンドブック第3巻 改訂第4版 P109-111
疾患別・理学療法基本プログラム(理学療法ハンドブック 改訂第4版)
- 作者: 細田多穂,柳澤健
- 出版社/メーカー: 協同医書出版社
- 発売日: 2010/03/11
- メディア: 単行本
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腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版 P50
- 作者: 日本整形外科学会,日本整形外科学会診療ガイドライン委員会,腰痛診療ガイドライン策定委員会,日本腰痛学会
- 出版社/メーカー: 南江堂
- 発売日: 2019/05/13
- メディア: 単行本
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