実は危険な腰痛症!

今回は前回同様に医療関係の話をしていきます。

腰痛を感じる方はかなり多くいると思いますが、今回はその中でも危険な腰痛について書いていきます。 

聞きなれない病名なども出ますが、自分の体をチェックする気持ちで見てもらえればと思います。

 

 

1.実は腰痛は腰の痛みじゃないかも!?

すごく稀なケースですが腰痛が体の中の血管や消化器などからくる場合があります。

よく「名医の診断」みたいな番組で取り上げられて僕らを戦々恐々とさせるやつです。

 

腰痛症の原因疾患の統計では約97%は前回記事でお伝えした腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの整形外科疾患です。

では残りの3%は何からきているのでしょうか?

実は残りの約2%は腹部臓器疾患、約1%は悪性腫瘍や感染からきていると言われているのです。

 

ではどんな病気が危険な腰痛と言われているのか。

僕らの問診の中ではFACETとRed Flagに気をつけて危険な腰痛の可能性を考えていきます。

 

2.危険な腰痛「FACET」

FACETとは危険な腰痛の頭文字を取った略語です。下の5つが含まれます。

Fracture…骨折

Aorta…大動脈解離・大動脈瘤破裂

Compression…脊柱圧迫症候群

Epidural abcess…膿瘍・感染

Tumor…腫瘍

 

①Fracture(圧迫骨折)

Fractureとは圧迫骨折のことを指しており、骨粗しょう症の高齢者がしりもちをついた時などに発症すると言われています。最近では「いつのまにか骨折」などの言われ方もしており、気づかないうちに骨折をしているケースが多くあります。

 

②Aorta(大動脈)

Aortaは大動脈のことを言います。ここでは大動脈瘤と大動脈解離を指しています。大動脈瘤は大動脈の弱い部分が風船のように膨らんできた状態で、初期は自覚症状がなく、大きくなるにつれて胸部や背中の痛み、息苦しさなどが出現します。この時にお腹を触ると「こぶ」が触れることがあり、そこに拍動を感じることもあります。

大動脈解離は大動脈の3層ある膜の一部が破けて外の膜に流れてしまう状態をいいます。突然の胸部や背中の激痛が特徴です。

どちらも症状が出たときは危険な状態です。特に大動脈解離は命の危険もあるため、場合によってはすぐに救急車を呼ぶ必要があります。

 

③Compression(圧迫)

Compressionとは圧迫のことであり、ここでは脊髄圧迫症候群のことを指しています。

脊髄の圧迫の原因としては椎間板ヘルニア、腫瘍の骨転移、血腫などがあげられます。症状としては脚のしびれや筋力低下、排尿・排便の障害などがあります。

 

④Epidural abcess(感染症)

Epidural abcessは感染症のことを指しています。硬膜外膿瘍、脊椎骨隨炎、腸腰筋膿瘍などがあります。この病名まで知っている必要はないと思います。発熱や長く続く夜中の腰痛などが特徴として挙げられます。医療機関での治療が必要となります。

 

⑤Tumor(腫瘍)

Tumorは腫瘍のことを指しています。悪性腫瘍の骨転移のことで、6週以上続く安静時痛や夜中の痛みが特徴です。今までにガンになったことがある人などは再発の可能性もあるため、すぐに医療機関に行くようにしましょう。

 

3.Red Flag

FACETが危険な病気を指していたのに対し、Red Flagは症状を指しています。

 

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これらに当てはまる=危険な腰痛ではありませんが、当てはまるものが多い場合は医療機関に行ったほうが良いかと思います。

 

3.あとがき

今回は「危険な腰痛」についてまとめさせていただきました。テニスをやっているやっていないにかかわらず、知っておくことで自分を守ることが出来ることは沢山あるのでこういう投稿も増やしていきたいです!