骨折が治るとは? 〜骨折の治癒過程〜
最近担当している患者様から、「私も身内も骨折したことないから、これからどうなるのかわからない」と言われました。
確かに骨折の治る過程は医療従事者の一部しか学ぶことは無いと思います。そこで今回は骨折の治る過程をお話出来ればと思います。
骨折の治癒過程
骨折の治癒過程には①炎症期、②修復期、③リモデリング期の3段階に分かれます。
炎症期
骨折直後の数日間が炎症期にあたります。
骨折したことを身体が気づいて、血流量増加と免疫細胞を骨折部に集めることで治癒を促進します。そのため、骨折部位は腫れて熱っぽくなります。
通常骨折の2〜3日でピークを迎えて、徐々に落ち着いていきます。
この時期は骨折部位を安静にする事が大切で、固定をして動きを制限する事が多いです。熱が強いときはアイシングをします。
修復期
骨折後数日から数ヶ月続きます。仮骨という骨折部を橋渡しするように掲載される骨が出来始めます。時間をかけて、骨の強度を上げていく時期です。
この時期は徐々に運動を始めていきますが、骨の強度は弱いため、負荷量が強すぎると変形が起こり、治りが遅くなったり、後遺症を残す場合があります。反対に負荷量が弱すぎても骨がつかないため、強度の調整が必要です。
リモデリング期
骨折後数ヶ月から数年続きます。
修復期で強度を増した骨を元の形に近づけていく時期です。骨折によっては完全に元に戻らないこともありますが、その中でもより生物学的に適応した形になっていきます。
この時期になると制限などもなく、病院の通院も無くなるでしょう。しっかりと動かしていくことが大切です。
平均癒合期間
骨折の期間は概ねの目安があります。
「Gurltの骨の平均癒合期間」というものが有名で、肋骨であれば3週間、鎖骨であれば4週間と部位によって記載されています。
これは先の区分けでは修復期の後半にあたると思って頂ければ大丈夫だと思います。
骨折をもししてしまったら、調べてみても良いかもしれません。
参考ページ
https://www.hokusei.or.jp/hokuman/files/a18f91c55969648fbd68dc76f0948ecf6d1d8189.pdf
以上です。
期間は骨折の部位や程度によりますが、治り方はこの流れで行われると言われています。
もしも骨折をしてしまった時に、こんな流れだったなと思い出してもらったら嬉しいです!
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以前鎖骨骨折についてまとめた記事です!