鎖骨の動き!

今回は鎖骨の動きに対する文献の紹介です。

迷走しまくっていて前回までの記事とはがらりと変わるのですがご了承ください。

上肢挙上時における鎖骨の動き
長崎大学医学部整形外科
宮 本 俊 之 ・伊 藤 信 之 他

https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai1951/46/3/46_3_890/_pdf

 今回紹介するのは「上肢挙上における鎖骨の動き」という文献です。この文献では鎖骨の動きを3DCTで撮影し、肩屈曲時の鎖骨の動きを解析しています。

 

この中で特に参考になったのは肩屈曲時の鎖骨の回旋角度です。

鎖骨の回旋は鎖骨骨折の際に注意する点で、骨折後4~6週の間は回旋による骨折部の変形を防ぐために上肢挙上80°以上は禁忌となります。

 

この文献の中では鎖骨の回旋の記述が詳しく書いてあるので箇条書きで書きます。

・鎖骨の回旋は上肢挙上初期から最終域にかけて一定の割合で増加する。

・Inmanらの上肢挙上90°までは緩やかに回旋し、その後急激に回旋するという説とは別の解となった。

・鎖骨は最大50°回旋する。

という事です。

 

80°以上は禁忌と聞くと、80°までは回旋はほとんど生じないように感じますが、実際は初期から動き始めているみたいです。

勿論、回旋角度が上がるごとにせん断力は上がるため、80°という指標は大切ですが、この点も留意して骨癒合の状態をみて角度を考慮できるようになりたいですね!

今日は以上です!