トレーニングゾーンについて
以前書かせていただいたテニスにおける有酸素運動と無酸素運動の割合の続きです。
前回はテニスにおける各エネルギーの割合はATP/CP:解糖系:酸化系=70:20:10であるとお伝えしました。今回はこの割合をどう活かすかについて書かせていただきます。
前回の記事をまだ見てない方は↓を参照ください。
1.トレーニングゾーン
運動はその強度や時間によって使われるエネルギーが変わってきます。
これはエネルギーを作る仕組みが一つではなく、ATP/CP系、解糖系、酸化系などの仕組みに分かれているからです。
この心肺持久力トレーニングの基準となるのがトレーニングゾーンというものです。
トレーニングゾーンは目的別に3段階に分けられます。
ゾーン1は動作のベースとなるゾーンで、ウォームアップや疲労回復のための整理体操などで使われます。主に有酸素系が使われます。
ゾーン2は有酸素系と無酸素系(主に解糖系)の両方を使うゾーンで長距離ランナーはこのゾーンでの能力の向上が必要とされます。
ゾーン3は無酸素系(主にATP/CP系)のエネルギーがメインとなり、インターバルトレーニングなどで用いられます。30~60秒のスプリントなどを週1~3回行うことで向上を図ります。
2.心拍数によるゾーンの判定とは
上の表にはそれぞれの心拍数でのゾーン分けが記されています。
心拍数は即時的かつ手軽に行えるため、ゾーン分けの基準に用いられています。
それぞれのゾーン分けは以下の通りです。
ゾーン1:65~75%
ゾーン2:80~85%
ゾーン3:86~90%
これは最大心拍数に対しての割合でカルボーネン法という下の公式を使って求めます。
〔(220―年齢)-安静時心拍数〕×運動強度%+安静時心拍数=最大心拍数
例えば、25歳男性、安静時心拍数67回/分でゾーン1の範囲を求めようとした場合
〔(220―25)-67〕×0.65~0.75+67=150~163回/分となります。←これ僕の数値です。(笑)
前回のデータなどと合わせると、テニスでは主にゾーン2~3レベルのトレーニングをしていく必要があると言えるでしょう。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか。今回の内容は主にジュニアの選手やシニア選手の中でもトーナメントを目標にする方などが対象になると思います。内容としてはゾーン1でもトレーニングを積んでいない人にはきつい内容となっており、ゾーン2~3はケガの危険も増えてきます。そのため、トレーニングの内容は1~2週間以上の期間をいれながら、自分の疲労度などもみて向上させていくようにしましょう。